左の地において最大規模の面積と人口を誇る商いの国。 その一角、第22地区の片隅には「倉庫の店」と呼ばれる場所がある。
不死者の店主が集めた“価値あるモノ”を売る店。内装はお世辞にもいいとは言えず、乱雑に商品が散らばる様子は物置のようだ。 けれどもそこにあるものは、どれも雑な扱いからは想像できないほどの貴重品だった。噂によれば暗黒期以前の物品も混ざっているという。
店を訪れた旅人は、そんな話を思い出しながら商品を見て回っていた。黄金の卵に遠見の虹水晶。どうやって手に入れたのか、海守りが携帯する海水の入った小瓶や裁縫道具らしき針まで転がっている。
すぐにその価値がわかるものがほとんどだが、用途がわからない品物もいくつかあった。旅人が手に取った本も、そのひとつだ。
宵闇のような紺色に、7つの星が描かれた表紙。中の紙は黄ばんでいてその古さをうかがわせる。ぱらぱらとめくると、いくつかの人名や地名が目に入った。何かしらの物語か、歴史書の類だろうか。
「それが気になるのかい」
旅人に声がかけられる。いつの間にか、虹色の瞳を持つ店主が奥から出てきていた。彼は旅人の手元の本に視線を向け「気になるならば、読んでごらん」と言う。
旅人は改めて表紙を見た。そこに綴られていたタイトルは――
モノトーンミュージアム
【新訳・明けの七ツ星と新月の異端】
『むかし、むかし。その瞳に星を宿す、7人の英雄がいました』
プレイヤー人数 :7人(4人+3人) ゲームマスター :2人 配布経験点 :80点 プレイ時間 :非常に長い 演目舞台 :暗黒期後期(およそ120年~115年前、裁縫師組合設立直後) レギュレーション:基本+書架